2021.07.29

キャロットニュース

「会社そのものをエンジニアリングし、強い組織をつくる」CARROTを創業から支えるCOO趙に迫る



顔出し不要の音声配信プラットフォームサービス『#私を布教して』を運営する同社には様々な経歴を持った社員が集まりサービスを作っています。
今回は、CARROTのCOOでありながら、クライアントエンジニアとして実際の開発の指揮もとる趙にインタビューしました。CARROTにジョインするまでのキャリアやCOOの仕事内容、日本で生活を決めた理由、今後チャレンジしたいことについて詳しく伺いました。



社員紹介
  • COO 趙

    COO 趙(チョウ)

    CARROTのCOO。親会社であるココネ株式会社では、複数のアプリのクライアントエンジニアとして開発を担当後、CARROT設立の際、COOに就任。卓越したプログラミングスキルに加えて、3カ国後が堪能。



常に「作ったことのないプロダクト」へのチャレンジで築いた技術者としての幅

ーー本日はよろしくお願いします!はじめにこれまでの経歴を教えていただけますか?

COO 趙
出身は韓国の釜山です。大学も韓国で、国立大学のコンピュータ工学科を卒業しました。

韓国の成人男性は兵役の義務があることで有名ですが、対象の国家試験の合格とIT企業で3年間の就労を条件に、兵役をパスできる制度があります。狭き門ですが試験に合格し、大学卒業後の1999年に証券会社向けのSIerへ就職しました。



ーー日本との接点はどのあたりでしょうか?

COO 趙
2社目ですね。そこではワードプロセッサーの日本版を開発しており、日本へ出張することがありました。ただ当時は日本語がさっぱりで、通訳を介して会話をしていました。

3社目では日本に配属されることになり、ここで定住を意識するようになりました。その企業では、ガラケー上で動画配信する技術の開発を行っていました。本社はシアトルで、ソウルに研究所を持つ企業でしたが、社員はシアトル・韓国・香港・ルーマニアと点在するグローバルチームだったので、コミュニケーションや作業の進捗確認などはSkypeを使いながら、マネジメント業務を行っていました。



ーー今はリモートワークも普及しましたが、当時から近しい形でお仕事されてきたんですね!

COO 趙
そうかもしれませんね。特に不便に感じたこともなく、仕事と日本での生活を両立できるなと思ったので、日本に定住することを決めました。

その後、家族や今後のライフプランを意識した頃に、NHN JAPANに転職しました。エンタメ系のサービスに携わるのはこのタイミングが初めてで、カジュアルゲームを作る業務を通じて語学力と技術力を磨きました。

震災で一時帰国した後に、グリー、ココネでキャリアを積み、CARROTにつながります。



ーーこれまでのキャリアを伺う中で、開発に携わったプロダクトの幅が広いと思ったのですが、情報収集はどのようにされていましたか?

COO 趙
その当時は今よりもインターネットに情報が少なかった時代ですが、あらゆる手段を使って情報のキャッチアップをするようにしていました。本やセミナーはもちろん、先輩や社内の詳しい人に聞いたり。
Windowsのアプリを作る際は、会社で加入しているデベロッパーネットワークから毎月送られてくる教材が便利で、何度も繰り返し見て身につけました。母国語以外に日本語・英語もできることが幸いして、海外の情報も積極的に収集していました。

私自身の今のキャリアは学習があってこそなので、貪欲にキャッチアップする姿勢はCARROTの社員にも求めている部分です。



ーー余談ですが、日本を気に入ったポイントなんでしょうか?

COO 趙
おいしい牛丼とカレーが食べられる点がいいなと思いました 笑
当時の韓国のカレーは漢方が沢山入っていて、皆さんが想像するような味ではなくて、日本に来て「カレーって美味いんだ!」と感動しました。

この話をすると皆驚くんですが、韓国にある旅行雑誌では、日本の有名な観光スポットとして有名なカレーチェーン店が取り上げられていたくらいなんですよ。



技術者として得意不得意ではなく、「最適」なテクノロジーを常に使う

ーー『#私を布教して』の立ち上げについて伺いたいです。

COO 趙
ライブ配信市場が急成長していて、ココネで新規アプリの開発の話が上がりました。
過去に動画配信関連システムを開発していた経験を買われ、『#私を布教して』の開発にアサインされました。 ただ、類似したシステムの開発経験があるといっても13〜4年前の技術だったので、全く別物と言っても過言ではないと思います。私にとってもココネにとっても初めてのチャレンジでした。

また、音声配信アプリの開発については国内外で事例が少なく、情報収集に苦労しました。そんな中でも、とある会社が発表した資料やサイトをなんとか見つけ、必要な予算やシステムなどを選定しました。
具体例をいうと、「#私を布教して」では、ReactNativeを採用して開発を行っています。その背景は、少人数・短期間でアプリを作ることががミッションだったため、開発工数を削減できるクロスプラットフォームを検討したからです。採用する言語の候補をReactNative、Flutter、Unityの3つに絞った中で、UIやデザインも考える上ではReactNativeがベストだと思い採用しました。ココネでは開発事例がありませんでしたが、私自身も勉強し、社員にレクチャーをしながら開発を進め、無事にリリースすることができました。

仕事をする上で今ある技術で間に合わせるのではなく、課題解決に1番効率的なテクノロジーを選ぶように考えています。






ーー『#私を布教して』やLIVE配信サービスを作る上で技術的な難しさや面白さはどのような点でしょうか?

COO 趙
難しい点は、ストリーミングサービスは変数が多いため、サービスの品質を安定させる点です。
これまで開発してきたゲームだと不具合の特定が容易なのですが、ストリーミングサービスはお客様のネットワーク環境が異なる中で配信や課金など様々な操作が行われるため、原因の特定が難しい。
お客様にネガティブな体験をさせてしまっているのも自覚しており、解決方法についてはいつもチームで議論しています。

その一方で面白い点は、お客様の反応がすぐにわかる点でしょうか。自分たち開発した機能を使って配信が行われるため、リアルタイムに反応が見える点はライブ配信サービスならではだと思います。
またCARROTではお客様の声をインタビューとして直接聞く機会もあるのですが、エンジニアもそれに同席することもあります。自分たちが作ったサービスに対してお客様から感謝の声をいただけたり、フィードバックいただける点は面白いですし、やりがいを感じますね。



CTOは技術組織をつくり、COOは会社そのものをエンジニアリングする

ーー開発環境について伺ってもよろしいでしょうか?

COO 趙
iOS/Androidの両プラットフォームに効率的に対応するために、React Nativeを採用しています。ルールをシンプルに維持し柔軟性を持たせることで、社員の自由な発想で開発に取り組めるように意識しています。

また、会社の新規事業としてアバターアプリの開発にも携わっていて、その開発にはUnityを採用しています。

技術にもトレンドがあり、廃れる言語もあります。だからこそ社員には、あまりスキルセットを固定化させたくないと考えています。勉強する際は、メジャーな言語と今後台頭しそうな言語を吸収する姿勢を持ってほしいと伝えています。

私自身も1クライアントエンジニアとして、絶えず新しい技術をキャッチアップをすることで、 今何を使えば1番便利で、安全でパフォーマンスが良いのかを考えています。余力ができたら、トレンド技術の勉強会などを設けたいですね。






ーーCOOとして考えていることやこれから取り組みたいこと・強化したいことはなんでしょうか?

COO 趙
COOの役割は、CEOが経営判断する上で、必要で合理的な根拠を提供するのが役目だと思います。

エンジニア社員のスキルアップや開発チームとしてのカルチャー作りは、基本的にはCTOに一任しています。
一方で私自身はCOOのとして、CARROTに勤める社員全体の働く環境や、企業文化を作っていくのが役割だと思っています。言うなれば、「会社をエンジニアリングしていく」といったところでしょうか。
”自由な発想”と”会社としてのバリュー”のバランスが取れる組織にしていきたいと考えています。

とはいえ、今はまだエンジニアが少ないので社員のサポートをしつつ、 採用で仲間を増やし開発体制を整えていきたいと思います。
開発できる人間を増やさないと業務に追われ自己啓発やスキルアップの余裕がなくなり、インプットが減ることでサービスを作る上での細かな部分まで気がまわらないという悪循環を防ぎたいです。

また 実現しませんでしたが、『#私を布教して』の配信を Oculusを使ってVRでやるのはどうかみたいなアイデアがありました。
ただ、こういった新しいチャレンジを検討するにしても、開発チームに心の余裕が必要です。 次のサービスを考えるための時間を作れるようにしていきたいですね。



ーーインタビューありがとうございました!



CARROT RECRUIT


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