2021.09.10

キャロットニュース

【 CEOインタビュー】アバターとコミュニティを極めた栗原が語る、CtoCビジネスの可能性と新規事業での勝ち筋



8月7日に創立1周年を迎えたCARROT株式会社。2年目に向け、会社としてはCtoCに軸足におき、ビジネスを展開します。
コミュニティ、クリエイターエコノミー※1、NFT※2といったトレンドの分野でのサービスを生み出し、人々の「新たな居場所を作る」会社を目指します。

今回は、CEO栗原にこれまでの1年の振り返りと、と2年目に向けて事業や会社の方向性について伺いました。
※1クリエイターエコノミー:デザイナーやインフルエンサー等、個人の情報発信やアクションによって形成される経済圏のことを指します。
※2:Non-Fungible Token(非代替性トークン)



社員紹介
  • コーポレートチーム 谷城

    栗原

    2014年にココネに入社、スマートフォン向けキャラクターの着せかえアプリ「ポケコロ」など主要サービスを担当した後、音声配信アプリ「#私を布教して」立ち上げ、2020年にCARROTを設立し代表取締役兼CEOに就任。1プランナーとしてアプリの開発・運営も担っている。

アバター×コミュニティへの可能性を信じてココネに入社、CARROTのCEOとしてライブ配信事業の運営と経営に打ち込んだ1年間

ーー本日はよろしくお願いします。栗原さんはココネ入社の経緯として、アバター×コミュニケーションサービスを極めたいという明確な意思があったと聞きました。その領域に可能性を感じた理由を教えてください。

栗原
私がココネに入社した2014年は様々なSNSの利用者が急増した時代でした。
LINE・インスタグラムなどを代表するリアルグラフのSNSはレッドオーシャンでしたが、インターネット上で人々が知り合い、繋がるバーチャルグラフのサービスはブルーオーシャンでビジネスとして可能性があると思ったのです。

また、自動翻訳などの技術の力で言語や人種や身体的な個性の壁を超えて、自由なコミュニケーションできる世界ができると盛り上がるだろうなと漠然と思っていました。

会社経営やビジネスに興味があったこともあり、その時代の顔となるようなサービスをつくりたかったのです。その中で、不可欠な要素が「アバター」と「コミュニティ」の2つだと考えました。

作り手の視点でお話をすると、コミュニティサービスというものは、お客様の可処分時間を取りやすいこと、運営とお客様がサービスを「共創」することで高い熱量でサービスを遊んでもらえることが強みで、とても面白い点でもあります。前職でアバターサービスの立ち上げ経験から、ココネという万全な環境でこの領域を極めたいと思い、入社以降はアバター×コミュニティサービスのノウハウを貯めるべく業務に取り組みました。

キャリアとしては、スマートフォン向けキャラクターの着せかえアプリの「ポケコロ」のプランナーや事業部長、マーケティング部長を経験しました。その後、音声配信アプリ「#私を布教して」の立ち上げを行い、CARROTを設立し現在に至ります。


ーー私自身業務をする過程で、ココネグループの中ではアバター、コミュニティ共に栗原さんが一番詳しいと思いました。栗原さん自身はネット上でアバターなどを使った別人格での活動経験がありますか?

栗原
いえいえ、あいにく活動者でも発信者でもありません。

ただ、彼らと同じように私自身もリアルな世界の生きづらさを感じる時があります。
程度はあれ「なりたい自分になりたい」というニーズはあり、その「変身願望」を叶えるツールとして「アバター」はとても優秀だと思いました。

私を含め、あらゆる人が現実世界で常に立場やその会話の文脈に適した自己を使い分けや演出をしていて、時に望まないような結果を生みストレスを抱えているのは、昔も今も変わりません。一方で技術の進化によって、名前や素性を隠しながら、その部分を絵やキャラクターで補うことができるようになりました。そのような方法でクリエイターとして活動される方は増えており、最近だと歌い手やライバー、VTuberなどが良い例です。

才能と支援者の力があれば、必ずしも現実世界の自分自身で勝負しなくても良い時代がきていて、市場を形成しています。


ーー「#私を布教して」は音声配信アプリでアバターとは無縁ですが、チャレンジしたのはなぜでしょうか?

栗原
アプリを作った背景やメッセージはnoteの方にまとめてありますので、今回は経営者目線での話をしたいと思います。

私が転職活動した2014年当時、コミュニティサービスのマネタイズ手法でオーソドックスなものは、広告・マッチング・アバターがセオリーでしたが、ここ最近はライブ配信の分野の発達によりギフティング(投げ銭)という新しいマネタイズ手法が生まれており、ビジネスチャンスだと感じチャレンジしました。


ーー実際に「#私を布教して」をローンチして新たな発見はありましたか?

栗原
いわゆるZ世代のお客様がメインのサービスなのですが、想像以上にたくさんのお客様に思い思いの配信をして遊んでいただいたことが驚きでした。スキマ時間で短時間の配信を複数される方や、イベント期間中は不眠不休で頑張る方もいらっしゃり、熱量を感じました。
音声配信だからこそ生まれる「絶妙な距離感の近さ」は、コミュニティの形成においてとても重要であることがわかり大きな収穫でした。

また、来場者数が100-300人以上になると1対多人数のショービジネスに近い配信になり、ライバーとリスナーの関係は薄くなっていきます。しかし、「#私を布教して」の場合は、1枠あたりのリスナーの数が30~50人となる配信が大半です。ライバーから見てもリスナー1人ひとりに目を向けられるレベルの規模感のため、配信内容も"ショー"というよりは、"友人に披露したり喋りかけるような世界"なのです。ライブ配信といっても一括りに出来ないことも新たな発見でした。

ライバーとリスナーがリアルな友人のように近い距離感を築けるからこそ、駆け出しのライバーであってもギフティングが盛り上がるんだろうなと思いました。

そして、大変ありがたいことは、「#私を布教して」の世界観に共感してくださるお客様が大勢いらっしゃったこと。ライブ配信アプリは、そこで遊んでくださるライバーの方によって差別化されるのため、プラットフォーム自体で差別化をしにくいものです。その中で後発にあたる私たちは、これから遊んでくださるライバーさんの価値観や好むデザインについて分析し、居心地が良くなるような世界観を考え抜き、「#私を布教して」は生まれました。オリジナルグッズを可愛いと褒めてくださったり、心のこもったお手紙をいただいた時は社員一同喜んでおりました。





自己評価は厳しめの5点
楽しさと悔しさをバネにCARROTはライブ配信アプリからCtoC事業開発会社にシフト

ーーCARROT立ち上げから1年立ちましたが、どんな1年だったかを教えて下さい。

栗原
ダメダメです、100点中5点です。


ーー厳しい自己評価ですね

栗原
プランナーとしても、社長としてもたくさん打席に立ったとは思っているので、そのアクション数の評価が5点です。

売上自体は伸びていますが、納得するような事業成果も出せておりませんし、組織づくりもまだまだ課題が山積みです。


ーー栗原さんは事業部長から社長になりましたがどんなところが苦労されましたか?

栗原
事業部長と社長の頭の切り替えに苦労しました。

事業部長の時代は「自分が任せてもらう期間で最大のパフォーマンスを目指すこと」を意識していましたが、社長になると中長期的な視点でサービスの運営や成長を考えなくてはいけないですし、会社運営にも目を配る必要が増しました。

ただ、苦い思いをした部分も多いですが、常に楽しいです。
お客様とコミュニケーションを通じてサービスを共創することはもちろん、新しいメンバーがジョインして共にサービスや会社を作ってくれることも嬉しいです。
事業と会社の両方の成長を楽しめることは社長の特権かもしれませんね。


ーーちなみにこの1年間で一番楽しかったエピソードなどはありましたか?

栗原
それでいうと、昨年10月に実施したボカロPとのコラボイベントでしょうか。
アプリ内の施策もプロモーションも盛り上がり、色々変えるためにみんなで知恵を出し合うプロセス自体も楽しかったです。そして全社集会で事例として共有し、お互いの頑張りを認め合いながら拍手した時は喜びもひとしおでした。

打席に立ち新しいことにチャレンジすることが楽しいと思う性格なので、
メンバーにもそういう経験を積んでほしいです。


CtoC事業に軸足を置き、目指すは日本から世界に誇るメタバース事業を作る

ーーCARROTはこれからどんな会社になっていくのでしょうか?

栗原
日本から世界に誇るメタバース事業を作るを目標に、今期は事業を通して目の前の財務基盤を安定させます。CtoCの運営経験や理解を深め、来期に向けて仮想空間の仕込みを行なっているフェーズです。

そのためにあるべき理想に向けて、CARROTのアイデンティティを見直しました。
具体的に言うと、これまでは「#私を布教して」を運営するライブ配信会社会社としてのカラーが強かったのですが、2021年からは本格的にCtoCサービスに軸足を置く方向へ舵を切りました。その取り組みの一環として、2021年8月にクリエイターサービスである「coconets」を事業譲受し、また新たにNFT事業へも着手しました。

「coconets」は、クリエイターが自分のデザインしたデジタルファッションアイテムを、ポケコロなどのアプリで販売できるサービスとなっています。つまり、”クリエイターの活動の場”を提供し、”お客様とつなげる”仕組みと言えます。

NFTはブロックチェーン上で発行・流通されるため、コピーやハッキングが不可能な仕組みです。デジタル著作権の保護の観点から注目が集まっている仕組みであり、クリエイターの価値を高め、維持することができます。CARROTではまずは、クリエイターのNFT化支援、プロデュースや販売/マーケティングなどを行う総合的なサポートサービスを行なっていきます。

CARROTとしては、まずはクリエイターとの接点を増やしていき、共創することで、より多くの人が楽しめるCtoCサービスを展開していきたいと考えています。また「#私を布教して」の運営の中でも、ライバーとの座談会やお客様ヒアリング会などを設けており、IT企業ですがあえて直接顔を合わせてご意見をいただくコミュニケーションを大事にしてきました。今後もこの姿勢を大切に、クリエイターとお客様に向き合い、橋渡しのような役割を担っていきたいと考えています。


ーーCARROTの中長期的な目標を教えてください。

栗原
「日本から世界に誇るメタバース事業を作る」ことです。

国内だと事例がまだ少ないかもしれませんが『Roblox』『FORTNITE』『ZEPETO』など、広大な仮想空間の中でのUGC(プレイヤーが自分で生成出来るコンテンツ)という遊びが急速に広がっていて、CARROTでもベンチマークしています。

いま我々が取り組んでいる事業、「#私を布教して」でのギフティングや、デザイナーUGCである「coconets」、仕込み中のNFT事業などは一見バラバラに見えるかもしれませんが、 「#私を布教して」「coconets」「NFT」の3事業がクリエイターに経済的対価も含めて価値創出を楽しんでもらう土台となり、我々が来期から取り組む仮想空間サービスを作り上げたとき、全てがつながると考えています。


ーーCARROTの作り出すメタバース事業の世界というのはどんな世界でしょうか?

栗原
中々説明が難しいのですが……とにかく「世界」なんです。
我々が作りたい世界というのは世界自体はノールールであり、皆がありたい姿の自分で承認され、価値を生み出す場で、その営みを作りたいと思っています。





ーー中々チャレンジングな事業ですが、どんなメンバーが必要ですか?

栗原
明るくて変化を楽しめて、打席に立つこと自体が大事!って思える人だと楽しく働けると思います。
CARROTは社員数が25名程度のスタートアップであり、一人一人の発想や行動力がサービス・事業の成長にダイレクトに影響します。

扱うサービスやCARROTが進みたいメタバースの分野は、先進的で不確実な要素がまだまだ多いです。その不確実性でさえも楽しんでくれる人がいると心強いですね。

メタバース事業で「世界づくり」という前人未到の領域と、グローバルなビジネスへの挑戦ができるのも魅力だと思います。

私も代表として、1サービスのプロデューサーとして舵取りを頑張るので、生まれた1を100に、120に成長させるのを楽しみながら一緒に仕事しましょう。

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